セセデ連続講座3月 - 動く! 朝鮮半島情勢<2005→2006>

 昨年、朝鮮半島情勢にはそこに住む朝鮮民族や海外同胞だけでなく、全世界が注目した。これは朝鮮半島情勢を直接左右する重要な問題たちが、「合意」や「方向性の提示」といったレベルを超えて目に見える「行動」や「形」としてしっかりした結果を出し始めているからであろう。今、朝鮮民族史の流れは確実に変わり始めている、20世紀の亡国と分断の歴史に終止符を打ち、世界の大国として自主的で繁栄する統一国家の建設へと、動き始めている。



「우리 민족끼리(我が民族同士)」の持つ意味

 昨年の朝鮮半島情勢において特に注目したい点は、朝鮮半島の様々な問題が大国たちの利権争いや大国間のパワーバランスの中で進展したのでなく、北・南・海外の朝鮮民族が2000年6月15日に発表された北南共同宣言を基本として話し合い、祖国統一に関する様々な問題を決め、行動したという点である。それは共同宣言の基本精神である「우리 민족끼리(我が民族同士)」という理念が「6.15共同宣言発表5周年記念民族統一大会」で採択された「民族統一宣言文」において公式化されたことでも分かる。また、宣言では6月15日を「我が民族同士の日」として規定した。これは統一の実現において大きな一歩となり、「第二の6.15」といわれる理由である。これにより朝鮮民族は祖国統一へ向けての新しい段階へと入った。今もそうだが、5年前、共同宣言が発表された後、アメリカの圧力や一部の反統一保守勢力は表現が合わない、当局の認定が必要だなど「우리 민족끼리(我が民族同士)」という表現に反対している。それはこの表現に祖国統一の基本原則である民族自主、民族大団結、平和統一の精神が集約されているからである。今後は北南の政府において正式に承認されることにより、だれも「我が民族同士」という理念を否定できなくなる。今年、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)では最高人民会議で「民族統一宣言文」が承認される予定であり、南側でもアメリカや一部の反統一保守勢力の圧力を押し切り承認されるであろう。


 また、昨年に統一に向けての大きな一歩となったのは、全民族的統一運動連帯機構である「6.15共同宣言実践民族共同委員会」の結成である。これにより統一に関するあらゆる問題に対して、具体的な討議や決定をすることができるようになった。そして、この機構は南側の当局が認定した完全で合法的な統一運動連帯機構であるという点で過去の連帯組織とは大きく違う。総聯は「我が民族同士」の理念を支持し6.15共同委員会海外及び日本地域委員会の結成に大きく関与し、統一運動に大きく貢献することで在日同胞が統一運動へ直接参加できる土台を築いた。



共同宣言を履行し民族共助、共同繁栄のための具体的な進展

現在、6.15共同宣言を履行し、北南間では3大経済協力事業が進められている。そのひとつは、金剛山観光事業である。今日まで南側から金剛山観光に112万人が参加した。今でもバスを利用し、陸路で一日1000人、月に3万人が訪れている。今後は白頭山、開成、平壌観光も予定されている。
 次に開成工業地区の開発である。開成工業地区は2000万平方キロメートルと東京ドームの1000倍の大きさである。工事は3段階に別れ、現在は1段階を着工中だ。1段階には100万坪の労働集約的中小企業公団、2段階には世界的輸出基地の建設、3段階には重化学工業や産業設備分野の複合工業団地建設を予定している。次に京義線(ソウルー新義州)、東海線(朝鮮半島の東海海岸沿い)に鉄道と道路を連結させる事業である。昨年までの建設でほぼ完成しており、今年初めに開通式が予定されている。



進展の背景

 2006年、統一運動は「我が民族同士」の理念を掲げ、自主統一、反戦平和、民族大団結の3大愛国運動として展開される。昨年の「我が民族同士」の公式化、民族連帯機構の結成など祖国統一運動は急速に動き始めた。その背景には共和国の先軍政治による社会主義強盛大国建設や6者会談で明確に打ち出された共和国の自主的外交政策がある。これにより強大な軍事力を盾に「世界の警察」といわれたアメリカは、朝鮮半島においてその力を失い共和国と対等な諸外国のひとつとしてその影響力を失った。
 そもそも、朝鮮半島の統一問題の鍵は、北南間の緊張の緩和や核問題ではなく、在「韓」米軍などのアメリカの関与を排除することにある。これをいかに排除し、全朝鮮民族が団結するかが統一の重要な課題である。  共和国は昨年2月に核保有宣言をした。それによりアメリカ政府は第4回6者会談の共同宣言において朝鮮半島の非核化と対朝鮮敵視政策転換を国際的に公約するしかなかった。アメリカ政府は共和国が核と現存各施設を放棄し、NPTに復帰する保証処置として共和国に対する核及び常用武器での威嚇をしないこと、南側での核兵器の撤去、自主権の尊重や共和国に対してのエネルギー支援、経済封鎖政策の解消、国交正常化のための処置など様々な問題を解決し、これを権威ある国際公約とした。また、共同宣言に「公約対公約」、「行動対行動」といった原則を入れることで、アメリカが固執していた「先核放棄」は無意味となった。



先軍政治と社会主義強盛大国の建設

 共和国では昨年、労働党結成60周年と祖国解放60周年を迎え、政治大国、軍事大国としての威力を世界に示し、経済全般においても上昇軌道に入り、もっと早く飛躍するための基礎ができた。特に農業においては米、とうもろこし、大豆、ジャガイモ生産量が劇的に増加した。その背景には金正日総書記の先軍政治によってもたらされた「苦難の行軍」の勝利やそこで培われた朝鮮人民の伝統と誇り、科学技術の発展がある。また、人文経済に様々な分野が新しく建設され、再建・近代化され重要な工場、企業所が正常に動くようになった。平壌の大同江付近に新しく建設されたテアン親善ガラス工場は現在、板ガラスを大量に生産し、今後中国などへの輸出も計画されている。その他にも住宅や通信などの分野でも大きな成果を上げている。こういった成果が火種となり今年の経済は飛躍的に発展するであろう。



2006年の在日朝鮮人運動の展望


 2006年は在日同胞にとって、中等教育実施60周年、朝鮮大学校創立50周年を迎える年である。今年も在日同胞は昨年結成50周年を迎えた総聯とともに新しい同胞社会のあり方を模索しながら愛族愛国的運動を展開していく。その中でも重要なのは「統一民族圏」の形成であり、同胞社会において民族性を守り、すべての在日同胞が「我が民族同士」の理念に従い一致団結して祖国統一を視野に入れた同胞社会を創っていくことである。そのためにも総聯は民族教育や文化活動に力を入れていく。昨年から土曜児童教室などを各地で開き、今年も朝鮮学校に通えない児童に言葉や字、朝鮮文化を通じて民族の心を取りもどすための手伝いをしていく。また、在日同胞が日本でもっと安定した生活を送れるように総聯支部の「同胞生活相談総合センター」を中心に同胞たちの悩みを一つひとつ丁寧に解決していく。特に同胞社会でも高齢化が加速していく中でデイサービスやデイハウスなど高齢同胞福祉活動も積極的に行ない、すべての同胞が日本にいても朝鮮人として誇り高く人生を送れるような同胞社会を目指している。
 昨年、新時代・ウリステージ運動で輝かしい成果を上げた朝青員たちは、今年も時代の流れを敏感に感じながら、朝鮮人としての民族性を守る運動を展開する。特に朝鮮民族の歌、文化、風習などに積極的にふれあうことで一世たちが築き上げた愛族愛国の伝統を受け継ぎ、発展させていく。  2006年、朝鮮半島情勢はさらに激しく動くであろう。在日同胞青年たちは「時代の孤児」になることは許されない、多くの情報の中から真実を見つけ、朝鮮人としての誇りをもって前に進もう!





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