| ■セセデ連続講座2008年 6月 - シンガポール朝米会談と第三段階への展望 ◆第二段階完了へ◆ 3月(ジュネーブ)に続き4月8日、シンガポールで朝米会談が行なわれた。そこで両者は「見解の一致」を果たした。「10.3合意」完了と第三段階への展望が開いた。 ![]() 去る4月、日本の不当な制裁措置延長に反対する在日同胞たち。 6者会談の大勢を読めない日本当局は、直ちに制裁措置を撤回するべきだ (写真:朝鮮新報社) 共和国とアメリカは、3月13、14日のジュネーブ直接会談に引き続き、4月8日にはシンガポールで会談を行なった。朝鮮外務省代弁人は4月9日、「会談では、6者会談の10・3合意履行で提起される諸問題が真しに討議された。会談の結果、合意の履行を完結する上でカギとなる米国の政治的補償措置と核申告問題で見解の一致が遂げられた」と明らかにした。どうやらアメリカも共和国と同じく「見解の一致」を認めているようだ。「先週シンガポールで行われた米朝協議で北朝鮮の核開発計画申告問題に暫定合意したことに対し、ブッシュ大統領も同意したもようだ。ホワイトハウスのペリーノ報道官が14日の定例会見で伝えた」(聯合ニュース2008・4・15)とある。この「見解の一致」は、「10・3合意」の履行が完結される「展望」が開けたことを意味すると言っていいだろう。米紙ワシントン・ポストはこれを、「北朝鮮がプルトニウムの貯蔵量を申告するなどを条件に、米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定と敵国通商法適用解除を準備している」などと報じている。 6者会談は朝鮮半島の非核化を目指す会談で、具体的には「9・19共同声明」(2005年9月)を実現していくものである。しかし共同声明に明文化された事象の全てを、一遍に実現することは出来ない。共和国とアメリカはもちろん、各参加国には様々な見解や現状があり、それぞれが不一致であるからだ。だからこそ参加国は協議を重ね、一つひとつ段階を踏んで着実に共同声明の実現に向かっていく。そんな共同声明の第一段階は「2・13合意」(2007年2月)であり、第二段階は「10・3合意」(2007年10月)である。現在共同声明の第二段階完了が、現実のものとなってきている。第二段階が完了すれば、当然次の段階の第三段階に進む。共同声明の第三段階は、共和国が核を完全に放棄し、アメリカが共和国に対する敵視政策に終止符を打つことと予想される。朝鮮半島の非核化への最終段階と言えよう。 シンガポール会談に続く動きとしては、4月22〜24日にかけて行なわれた米国務省のソン・キム朝鮮部長を含む、米国の核専門家代表団の平壌訪問を挙げられる。朝鮮通信はこの様子を、「協議では、核申告書の内容をはじめ10・3合意の履行を締めくくるための実務的な問題が討議された。協議は真しかつ建設的に行われ、前進があった」と評価している。 このように「10・3合意」履行の完結は近いが、そのためにはアメリカが行動を急がなければならない。現時点での「10・3合意」履行までのプロセスで、アメリカは完全に出遅れてしまっている。共和国は寧辺の核施設の無能力化と核申告を進めているが、アメリカは共和国の核申告を理由に、テロ支援国家指定の削除と対敵性国通商法の適用終了などの政治措置を、一つも実現出来ていないからだ。「行動対行動」の原則を守らず、「10・3合意」の履行を一方的に遅らせているのはアメリカなのである。 日本などでは、共和国が正確な核申告をしていないこと、さらに「ウラニウム濃縮計画疑惑」「シリアとの核協調疑惑」などがあるから、アメリカが義務を履行出来ないと報道している。しかしアメリカのこの「口実」は、合意履行の遅延理由を必死に探し出し、相手側に押し付けているようにしか見えない。「10・3合意」の本来の履行期限は昨年12月31日であり、この時までアメリカが義務を果たすために行なったことが一つでもあっただろうか。アメリカは「10・3合意」履行のための実質的な行動を、何もしていなかったことになる。 しかしそんなアメリカも4月30日、一つの行動を起こした。それはアメリカが発表した「2007年テロ報告書」に示された。共和国が非核化の措置を実行に移した場合、米国の国内法の規定に従って、共和国のテロ支援国家指定を解除する意志があることを明文化したのだ(朝鮮日報2008・5・2参照)。「10・3合意」本来の期限から丸4カ月。この動きは、シンガポール朝米会談で得た「見解一致」から生まれた一つの成果とは言えないだろうか。テロ支援国家指定の削除はアメリカ政府の権限であるが、アメリカ政府が議会を尊重するという意味で、大統領はそれを45日前に議会に報告しなければならない。45日というタイムラグを考えると、ブッシュ大統領がテロ国家指定解除について議会に報告する日は、そう遠くないかもしれない。 第三段階への突入、つまりアメリカが共和国に対するテロ支援国家指定から削除された場合、共和国は様々な政治的・経済的圧力から開放される。主に挙げられるのは、輸出管理法、対外援助法、国際金融機関法、国際武器取引規制法などである。つまりは国際金融機関による共和国の開発や支援も可能となるはずだ。2012年までに「強盛大国」の大門を開くため、特に現在は経済部門に力を注いでいる現在の共和国。2012年へ向けたこの計画に、現実味がますます帯びる。 アメリカが合意に沿って実質的な行動を今後も起こし、合意を履行していけば、6者会談は近いうちに第三段階に入る。第三段階では今まで以上に、「行動対行動」の原則が重視されることだろう。これは何もアメリカだけが守ればいい問題ではない。あまり注目されていないが、南朝鮮、中国、ロシア、日本にも「10・3合意」履行義務がある。上の参加国は、履行義務である共和国への重油100万tに相当する支援問題を、現在までに解決していない。6者会談をリードするのがいくら共和国とアメリカと言っても、彼らにも義務がある。朝米関係が正常化すればするほど、今後は他の参加国にも注目が集まるはずだ。一体どの国が東アジア地域の発展に歩調を合わせているか否か、はっきりと示されることだろう。 特に日本は、朝米シンガポール会談後に、共和国に対する経済制裁の延長を決定した。様々な識者たちがすでに指摘していることだが、日本の経済制裁はもともと共和国のミサイル訓練に際して発動した制裁である。それが制裁延長を繰り返す過程で、いつの間にか拉致問題を解決するための「圧力」として存在するかのようになっている。今の日本は共和国に対するエネルギー支援を行なうどころか、対決図式をより一層鮮明にしてしまっている。6者会談が行なわれるたびに拉致問題を持ち出して妨害してきた日本。明らかに国際情勢の主流から取り残されてしまったと言えるだろう。日本の経済制裁に対して、4月19日付の「労働新聞」は「もたらされるものは自滅だけである」と題する署名入り論評を掲載し、痛烈に批判している。 私たちセセデはこの激動する中で、日本のマスコミを鵜呑みにせず、国際情勢の本質を大局的に捉えていこう。6者会談は共和国主導の下、第二段階をいよいよ完了させ、朝鮮半島非核化の最終局面・・第三段階に向かおうとしている。 |
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