セセデ連続講座2007年 12月 - 北南首脳会談の 歴史的意義

◆ポイント◆
二度目の北南首脳会談は、北南関係と祖国統一において、どんな意義を持つのか


「10.4宣言」に署名する両首脳

写真提供:朝鮮通信社


 7年ぶりとなる北南首脳の対面は、歴史的な6.15共同宣言と「我が民族同士」の理念に基づいて、北南関係をより高い段階に推し進め、朝鮮半島の平和と繁栄、祖国統一に関する新たな局面を開いた。今回は、北南首脳会談と「北南関係の発展と平和繁栄のための宣言」には、どのような意義があるのかを検討していくことにする。



北南首脳会談までの経緯

 今回の首脳会談実現までの経緯を知るために、まずは2000年以降の北南、朝米関係を大まかに振り返ってみよう。
 北南関係は6.15以降、「我が民族同士」を民族共同の統一理念として確固たるものにしていった。特に6.15共同宣言発表5周年には民族統一祝典が盛大に開かれ、金正日総書記と南側の鄭東泳大統領特使の接見によって「第二の6.15時代」が到来したとも言われた。この7年間で北南交流と協力は、飛躍的に高上した。年間別北南往来人員を見ると、1997年までには1000人足らずだったのが、2002年には1万人を突破、2006年には10万人を超えている。また離散家族は、今年8月までに直接対面した人数が1万5381人に上る。以前までが157人だったことを考えると凄まじい増加と言えるであろう。また、北南交易は2005年に10億ドルを超え、2006年には28%増加、今年はそれよりも増加している。
 一方朝米関係はどうであろうか。2000年6.15以降の朝米関係は、同年10月に共和国の国防委員会第一副委員長の訪米と朝米共同コミュニケの発表、オルブライト米国務次官の訪朝と金総書記との接見で、国交正常化の前途が見え始めていた。しかし2001年にブッシュ政権が発足されるや否や、その関係は一変し、アメリカは共和国を「悪の枢軸」と名指した。それを受けて共和国は朝鮮半島の平和と祖国統一のために、アメリカとの対決関係を清算する立場を取る。そして共和国は2006年7月にミサイル発射訓練を、10月には地下核実験を成功させた。何があっても朝米直接対話をしないとしていたアメリカだったが、核実験からわずか3週間後に直接対話が実現した。核実験以降、共和国に対するアメリカの政策はガラリと変わる。イラク戦争の泥沼化で中間選挙に惨敗したブッシュは、2008年中に共和国と関係正常化を目指すようになったのだ。今日の朝米関係は、共和国の主張にアメリカが歩を合わせている状態だ。
 このように北南関係が7年間で飛躍的に発展し、朝米関係が有利に推し進んでいる情勢の中で首脳会談は開かれた。今回の首脳会談は突如持ち上がったものではなく、7年間の地道な成果が土台となって実現したのだ。



北南関係を一段と高い次元に

 首脳会談では、6.15共同宣言の精神が再確認され、北南関係の発展と朝鮮半島の平和、民族共同の繁栄と統一を実現するための諸問題が協議された。そして最終日には「北南関係の発展と平和繁栄のための宣言」が発表された。この宣言は北南関係をより拡大・発展させ、祖国統一の新たな局面を切り開く上で、重要な意義を持つ。
 第1項では6.15共同宣言と変わらない理念を確認し、第2項では北南関係を相互尊重と信頼の関係にすること、また、お互いに内部干渉せず和解と協力で解決に向かうことを決めた。第3項には朝鮮半島の平和を実現する問題が明記。国の平和問題と軍事分野の問題が最高位級の合意事項になることは非常に稀だ。軍事的敵対関係の終息と平和保障のための協力問題が宣言に含まれたことは、画期的である。続く第4項には、現停戦体制を恒久的平和体制にするために、関連する3者または4者首脳で終戦を宣言する問題を推進するために協力していくことを明記。過去、大国が決めた国際情勢に従うしかなかった朝鮮民族が、今は国際情勢を主導する立場であることを内外に発表したことにもなる。
 続く第5、6、7項では、民族共同の繁栄と統一を実現する問題について書かれた。特に第5項では、6.15共同宣言で提起された経済協力分野での民族経済の発展をもう一段高め、共利・共栄と有無相通じる原則が加わった。以前までの経済協力交流の実績を土台に、経済協力の投資を奨励、経済インフラ建設、資源開発の促進、鉄道・道路の共同利用、「西海平和協力特別地帯」の設置…などなど、経済協力分野が全面的に開花期に入ったと言えるであろう。そして第8項には、6.15共同宣言にはなかった外交分野での協力強化が提起されている。北南が一つの国として外交政策を実施したという意味で、統一のスタートを見せてくれる題目であると言えよう。またここには海外同胞問題が盛り込まれていることも見逃せない。これは在日同胞を含めたすべての海外同胞たちが、統一祖国の保護を受けられることが明記されたことになるだろう。



全同胞の志向と念願が反映

「10.4宣言」は北南関係を一段階高い次元に引き上げたと言える。第5項で書かれた「西海平和協力特別地帯」はその象徴だ。この合意は朝鮮西海での偶発的衝突の防止のために共同漁労水域を指定し、そこを平和水域に設定し、経済特区建設と海州港の活用、民間船舶の海州直航路通過などを推進していくというもの。この西海での諸問題は、今まで北南間で何度も取り上げられてきた問題なのだが、以前までは偶発的衝突などの軍事問題は軍事会談で、経済的問題は経済会談で…などと分けられて議論されていた。その結果、軍事の論理と経済の論理、そして北と南の論理が複雑に絡み合い、討議をする度に解決の糸はもつれていた。
 6.15共同宣言以降、上級会談では主に経済問題が扱われた。そして必要に応じて軍事会談が開かれ、経済協力事業に対する軍事的補償問題が討議された。その過程で金剛山観光をはじめとする成果も数多く生まれた。しかし今日の要求に合わせて北南の共同繁栄を実現するためには、以前までのフレームでは限界があったことも事実だ。今回の宣言はこのような以前までのフレームから脱却し、諸問題を総合的に一片に解決することにしている。このような決断は、最高位級会議だけが成し得る技だ。そのような側面からも今回の宣言は、6.15以降の7年間に集積された経験と教訓に基づき軍事と経済の壁を越え、北南関係を一段と高い次元に引き上げた宣言と言えよう。
 国が分断され数十年来に初めて実現した歴史的な2000年6月の平壌対面は、「不信」と「対決」の北南関係を「和解」と「協力」の関係に転換させ、「我が民族同士」の時代、統一の時代を切り開いた。今回の「10.4宣言」は、6.15共同宣言とそれ以降の7年間の成果を土台に、民族の力で統一を実現し、繁栄する祖国を建設しようとする全同胞の志向と念願が反映された貴重な宣言と言えるだろう。 「10.4宣言」を支持し、そして民族の繁栄のために一層努力していくこと。これが統一時代に生きる私たち朝青員の役目ではないだろうか。



「10.4宣言」(要旨)

1.北と南は、6.15共同宣言を守り抜き、積極的に具現していく
2.北と南は、思想と制度の相違を超越して北南関係を相互尊重と信頼の関係に確固と転換させていくことにした
3.北と南は、軍事的敵対関係を終息させ、朝鮮半島で緊張緩和と平和を保障するために機密に協力することにした4.北と南は、現停戦体制を終息させ、恒久的な平和体制を構築すべきであるということについて認識をともにし、直接かかわりのある3者、または4者の首脳が朝鮮半島地域で会って終戦を宣言する問題を進めるために協力することにした
5.北と南は、民族経済の均衡の取れた発展と共同繁栄のために、経済協力事業を共利・共栄と有無相通じる原則で積極的に活性化し、持続的に拡大、発展させていくことにした
6.北と南は、民族の悠久な歴史と優れた文化を輝かすために、歴史、言語、教育、科学技術、文化芸術、スポーツなど社会文化分野の交流と協力を発展させていくことにした
7.北と南は、人道的協力事業を積極的に推進していくことにした
8.北と南は、国際舞台で民族の利益と海外同胞の権利と利益のための協力を強化していくことにした






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