セセデ連続講座2007年 10月 - 総聯に対するRCCの動きと不当性

◆ポイント◆
「事件」に見える中央会館売買問題。経済問題を政治問題へと変質させた本質を知る。


大使館としての役割も果たしている総聯中央会館


 10月に行なわれる第二回北南首脳会談は、祖国統一のみならず国際平和においても非常に重要な契機となることは間違いないであろう。共和国を取り巻く国際情勢は確実に好転している。8月の大雨により共和国が多大な被害を受けた時も、南朝鮮、アメリカを含む世界中の国々が支援に参加したことは、その証拠と言えよう。
 問題は隣国、日本である。共和国支援への立場はおろか、「対北朝鮮政策」の象徴――特定船舶入港禁止法によって、支援物資を輸送出来ない状況まで生まれている。支援物資を送ることは人道的な問題であり、船舶の行き来を許可しても良さそうなものだが…。
 このように日本の対共和国、とりわけ反総聯キャンペーンは続いている。その中で最も許しがたい重大な問題は、総聯中央会館に対する整理回収機構の動きである。これにより総聯中央会館が差し押さえられる可能性までもが出ているのだ。今回はこの整理回収機構と総聯の交渉、安倍政権が主動する同機構の不当性を見てみよう。



整理回収機構と総聯の交渉

 整理回収機構(以下:RCC)の主な事業内容は、破たん金融機関から不良債権を買い取って回収することである。そこからRCCの使命とは、「企業の再生」にあると言える。しかし現在RCCは、総聯中央会館を競売にかける強制執行の準備を進めており、他の総聯施設の競売申立てや預金の差し押さえまでも行なおうとしている。
 破綻した朝銀の不良債権を引き継いだ総聯は、2003年2月、返済の義務を負うべき関連責務を確認した後、何度も和解案をRCC側に提案してきた。最終的な責務総額627億円が出た時、総聯側はRCCと弁済方法についての交渉に入った。総聯側代理人・土屋公献弁護士によると、「交渉過程では、総聯側の経済的実情には限界があり、全額の返済には応じきれない、ついては627億円すべてではなく可能な範囲での上限を設けた上で返したい旨を伝えた」(「朝鮮新報」引用)という。しかし上限が示されることはなかった。
 総聯側は最終的に、毎年5億円を8年かけて支払いそれとは別に4年にかけて30億円、計70億円を支払い、また他の債務についても協議していくという和解案を、RCCに提示した。一般企業の場合、破産しさえすれば、RCCは回収が出来なくなる。つまり仮に総聯側が財産である中央会館を手放せば、RCCはそれ以上回収出来ないのである。中央会館は売却しても40億円ほどにしかならない。このように考えると、RCC側は総聯が40億円を支払えばこの問題は済むと見てもいいはずであろう。総聯だけが一般企業と別扱いされる理由はないはずだ。よって計70億円以上を支払うという総聯側の最終和解案は、非常に理に叶った提案と言えないだろうか。
 しかしRCC側はこの総聯側の最終和解案に対して、3年間に毎年5億円ずつ支払い、4年目に残りの債務額と年5%の利子を「全額」支払えと応じたという。こうして和解交渉は今年2月に決裂した。こんなにも実現不可能な要求をRCCはなぜ提起したのだろうか。総聯側からそんな金額を回収出来る訳がないことは、誰よりもわかっているはずなのに。そもそも過去の債務処理に関する交渉の歴史上で、全額一括返還を求める和解交渉など前例がない事態である。にもかかわらず全額返還を求めるRCCの要求は異常と言えるだろうし、何らかの指示が背後にあると考えるのが妥当であろう。



経済問題が政治問題に

 RCCの途方もない要求を呑めるはずはないが、もし裁判の判決が下った場合、中央会館は競売にかけられてしまい、在日同胞は大きな拠点を失うことになる。そこで総聯側はそれを救う唯一の手段となり得る、第三者への売却を実行したのだ。これは特別なことではなく、完全に合法な措置である。その証拠に、当初は「強制執行妨害罪」「公正証書原本不実記載罪」などと総聯を非難していた日本のメディアも、今は総聯側が法的不正を行なったとは述べていない。
 総聯側は中央会館を35億円で第三者・緒方弁護士に買ってもらい、5年後に再売買するという契約をした。しかし緒方氏からの代金の支払いが遅れている最中にマスコミに知られ、緒方氏は総聯側を騙した詐欺の容疑で逮捕されることになる(6月28日)。お金を払わないまま所有権を移転した行為が、「詐欺行為」と見なされたのである。しかしこれは「詐欺」であろうか。味方になってくれる者に不動産を買ってもらい、後日に買い戻すという方法はどこにでも見られる一般的な方法ではないだろうか。
 RCCとの交渉から中央会館の売買契約まで、総聯側が不正を働いたところはこのように一つもない。しかし日本の報道を見ていると、まるで総聯側が何か「事件」を起こしたように見える。この問題が報道されるや安倍首相は記者団に対し、「朝鮮総聯はその構成員が拉致をはじめ犯罪に関与してきたことが明らかになってきている。破壊防止法に基づく調査対象にもなっている」(6月12日)とコメント。一国の首相が総聯弾圧を露骨に言及したのである。これは安倍政権主動の反総聯キャンペーンを、実質公表しているようなものである。
 安倍首相就任後、総聯組織への不当な強制捜索、弾圧を相次いで強行してきた日本当局。このような事実やコメントからこのRCC問題も、反総聯キャンペーンの一環と言えよう。RCCの債権回収という経済問題も、安倍政権にかかれば政治問題に変質する。どのような手段を使っても総聯組織を破綻させようという、意思が強く感じられる。安倍政権による総聯弾圧――これが総聯中央会館をめぐる売買問題の本質である。



不当な政治圧力との闘い

 数々の和解協議に臨んだ総聯側は、問題解決のために最大限の努力を傾けてきたにもかかわらず、RCC側はハナから無理な要求を叩きつけ、和解交渉を難航させた。RCCが本来の責務――債務の回収はそっちのけで、中央会館そのものを処分しようとする目的を持っていたことは火を見るよりも明らかだ。
 共和国はこのような総聯組織に対する弾圧を、共和国に対する理不尽な主権侵害に当たるとして非難した(共和国外務省代弁人声明7月1日の声明)。また共和国のUN大使も、総聯中央会館の強制競売問題についての非難文書をUN事務総長と総会議長に提出した。この問題をUN総会の議題として取り上げるよう要求したのだ。
 このように共和国が糾弾の声を上げている中、朝青員が立ち上がらなくていい訳がない。日本に住む私たちは共和国とともに、否それ以上にこの闘いに奮起しなければならないはずだ。在日同胞は昔から、不当な政治弾圧に屈することなく団結し闘ってきた。私たちセセデもその伝統を受け継いで、日本当局を断固糾弾していこう。



不当な政治弾圧に対する闘いに今は終わりが見えない







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