私たちを取り巻く様々な人権と生活の諸問題について学ぶ企画。
 「分かりやすくて勉強になる!」との反響に応え、昨年に引き続き身近な問題をともに考えていきます。


■セセデ2007年 12月掲載

「特別永住者」と「永住者」の違いについて教えてください

 外国人登録証明書の「在留の資格」という欄に「特別永住者」と書かれていますが、これはそもそもどういう資格なのですか? 「永住者」とは違うのですか?


テキスト:宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会事務局部長)
イラスト:ko-pongsuk


在日同胞の「特別永住者」資格は、 日本国民の居住権とは根本的に違います。


 在日朝鮮人の中でも戦前から継続して日本に居住してきた人とその子孫などが保持する「特別永住者」資格は、「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の特別法として1991年に制定された「日本国との平和条約に基づく日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特別法」(入管特別法)で担保されている資格に過ぎません。中には「永住権」と言う人もいますが、これは大きな間違いです。「特別」という言葉が冠されているので何か特別な処遇を受けられるといった期待も生じるかもしれませんが、「入管法」の特別法に依拠するという意味に過ぎません。
 入管特別法の「特別永住資格」と入管法に定める「永住資格」は、基本的には同じものと言えます。違いは「特別永住資格」者の場合、退去強制(国外追放)事由の一つである一般犯罪が7年以上の刑罰に緩和されていることと、再入国許可の期間が4年間に優遇されている2点のみ。より重要で基本的な@在留期間に制限がないこと、A生計のための収入を得る活動に制限がなく、日本人と同じように自由に活動出来るという点はまったく同じです。
 注意すべき点は、「特別永住資格」は文字通り「資格」なので、日本の法務大臣に「特別永住資格」の許可申請を行ない許可されることによって在留しているという事実です。つまり子どもが生まれた場合、出生から60日以内に許可申請をしないと退去強制の対象になってしまいます。もっとも実務的には、外国人登録の申請と同時に許可申請書1枚を提出するだけで済みます。
 特殊な歴史的背景をもつ在日同胞の在留資格は一般外国人と比較すれば安定していますが、居住権ではないため、政治活動の内容(入管法24条のオ、ワ、カ)によっては退去強制の対象ともなりうる不安定なものです。私たちが「在日」することとなった経緯からして、日本政府は日本国民と同様の居住権を保証する責務があり、私たちはそれを要求していくべきでしょう。


渡航先での再入国許可の期間延長は可能?

  最近は海外留学をしたり、海外で働くセセデも少なくありませんが、渡航先での不慮の事故や病気、その他のやむを得ない事情によりどうしても4年間の再入国期限内に日本に戻ることが出来ないといったことも起こりえますね。そういった場合は、最長1年間の延長が可能(入管法26条、入管特例法10条)で、滞在国に駐在する日本大使館あるいは領事館で延長の手続きが出来ます。しかしこれはあくまでも日本に再入国するためだけに延長出来るもの。延長後に日本に戻った時点で失効することをお忘れなく。








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