私たちを取り巻く様々な人権と生活の諸問題について学ぶ企画。
 「分かりやすくて勉強になる!」との反響に応え、昨年に引き続き身近な問題をともに考えていきます。


■セセデ2007年 11月掲載

国籍を元に戻したい…

 私の両親は在日コリアンですが、父の商売の都合上、10年前に父母と共に日本国籍に帰化しました。しかし朝青活動などを通して民族意識が高まり、今では国籍を元に戻したいと思っています。はたして可能でしょうか?


テキスト:宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会事務局部長)
イラスト:ko-pongsuk


国籍を再取得する必要がありますが、 難しい問題もあります。


 これは、あなたの元々の外国人登録上の記載によって違ってきます。  まず、「韓国」表示であった場合ですが、韓国国籍法によると、帰化して日本国籍を取得した時点で自動的に「韓国」国籍を喪失していることになります。(韓国国籍法15条)。したがって、韓国法務部長官の国籍回復許可(韓国国籍法8条)を受け、韓国国籍を再取得すれば、日本国籍を失い(日本国籍法11条)、再度外国人登録することになります。この場合「取得」といってもいわゆる韓国への「帰化」ではなく、「元韓国籍」ということで「回復による国籍取得」ということになります。
 共和国の国籍法には、外国国籍を取得したことにより、共和国国籍を喪失する旨の明文の規定はありません。共和国国籍法13条、15条によると、国籍喪失については、当事者の除籍請願及びそれに対する中央人民委員会決定がなされると国籍を喪失するという規定になっています。あなた自身も、ご両親も中央委員会にこのような除籍請願は行なっていないと思われますので、条文の上では、今もなお共和国国籍を維持しているとされる余地があります。また仮に、共和国国籍をいったん喪失していたとされたとしても、国籍回復請願(共和国国籍法12条)が認められれば、共和国国籍を再取得することが出来るでしょう。
 しかし、共和国国籍を維持していたとしても、請願によって再取得したとしても、難しい問題が残されてしまいます。それは、日本政府が共和国を「未承認国家」であることを理由に、同国籍法を認めていないという現状があるため、日本国籍を離脱することが出来ないということです。さらに、日本では朝鮮・日本の二重国籍は認められないため、外国人登録はしないということになります。両親の判断など様々な事情で日本国籍となったセセデ同胞の民族性とともに、国籍も回復したいという思いを尊重し、日本政府による差別的取扱いを一日も早く改めさせなければなりません。


「帰化」…?

 日本国籍を取得することを表す「帰化」。本来は「王化に帰服すること」「君主の徳化に服従すること」といった意味があり、つまりその国の臣民として君主に服従するということ。日本の国籍法(4条)では「帰化」によって日本の国籍を取得出来るとあり、しなければ日本国籍を取得出来ません。またこの「帰化」が許可されるには幾つかの厳格かつ申請者のプライバシーを侵害するような調査を経て、法務大臣の自由裁量に委ねられるという「帰化」行政があります。「帰化」という言葉に、違和感を覚えませんか?








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