■セセデ2007年 7月掲載
先日訪問販売の人に、ネイティブ並みに英会話が上達するという学習教材を薦められ、迷ったのですが、購入しました。しかしよくよく考えてみると高額でしたし、教材を使いこなす自信もありません。返品は可能なのでしょうか。
良かれと思って購入したものの、よく考えてみるとどうも気に入らない…などの経験、皆さんもあるかと思います。民法上では、「これを買いたい」「売りましょう」という双方の意志が合致すれば、契約書を作成したり、捺印しなくても契約が成立したことになります。自分の意志で契約したわけですから、消費者であっても、商品の品質に問題があるなどの例外を除いて原則として一方的に契約を取りやめることは出来ません。 しかし、「いったん契約したら守らなければならない」とすることは、消費者にとって非常に酷な場合がありますね。例えば訪問販売のような不意打ち的な勧誘や、強引なセールスなどで、消費者が十分に考える時間のないまま物品を購入してしまうなどのケースです。そこで、特定の取引に限って、契約締結後も一定期間、消費者に頭を冷やしてよく考える余裕を与え、その期間内であれば一方的に契約を解消することが出来ることとしました。これを「頭を冷やして考え直す=cooling-off」「クーリングオフ制度」と言います。これは「特定商取引に関する法律」などの特別法によって認められている制度で、悪質な方法で騙されたり、反強制的に買わされた人を保護することが根底にあります。ネットやテレビショッピングで買ったものや秋葉原で買ったパソコンをクーリングオフ出来ますかという相談が寄せられますが、 これらは基本的にはクーリングオフが出来る契約ではありません。なぜなら、不意打ち性や強引な勧誘による精神的な圧力を受ける心配が無いからです。 今回の場合は訪問販売での購入なのでクーリングオフ出来ます。しかし、これが自分でネット検索して購入したのであれば、購入後後悔しても後の祭り。ただし、通信販売などでは業者が設けている独自の返品特約に従っての返品が可能な場合もあります。いずれにしろ、契約の前には内容を充分に確認し返品特約があるかどうか確認した上で契約をすることをお勧めします。
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