■セセデ2007年 5月掲載
「従軍慰安婦」問題をめぐり、最近アメリカでの決議案の話や国会での答弁書などの問題が連日報道されていますが、この一連の流れ、「慰安婦」問題の現況について説明して下さい。
「従軍慰安婦」問題ー1990年代初頭、元「慰安婦」たちによる日本政府への告発に端を発し、全世界に国家による女性に対する重大な犯罪として認知されたこの問題が、今再びスポットライトを浴びせられています。 今年1月、米下院外交委員会にて日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の責任認定と明確な謝罪を求めた決議案が提出され、2月同小委員会は元「慰安婦」3人を招き公聴会を開催しました。「慰安婦」関連決議案はこれまで01年や05年にも提出されましたが、日本政府による精力的なロビー活動もあり、その上程は阻まれてきました。しかし今年の一連の動きに対し、2月19日の衆院予算委員会で麻生外相が「慰安婦」決議案は「客観的事実に基づいていない。日本政府の対応を踏まえておらず、はなはだ遺憾だ」と発言、3月5日の同委員会においては安倍首相が「決議があったからといって、我々が謝罪するつもりはない」「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった。狭義の強制性を裏付ける証言はなかった」などと発言、さらに日本政府は同月16日、軍隊「慰安婦」の強制動員の資料がないという立場を、議員質疑に対する答弁書の形式で公式化したのです。 このような見解は、1993年8月に出された「慰安婦」問題への旧日本軍の強制性と日本政府の責任を認め謝罪した「河野談話」から大きく矛盾するものです。安倍内閣発足以来、首相が、「河野談話」を継承することを再三表明しているのは周知の事実です。そもそも米下院で問題になっている決議案は、「慰安婦」問題につき日本政府に対し謝罪を求めるものであって、広義の強制や狭義の強制に関し問題視しているものではありません。「慰安婦」問題そのものを矮小化するかのような安倍首相をはじめとする日本政府の見解は世界中から非難の声があがっているところです。今こそ、日本軍性奴隷制被害者たちの尊厳回復のため日本政府への圧力を一層強めるべき時です。
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