人権問題といえば難しいイメージを持つ方もいるのでは? しかし身近な生活に潜んでいる問題だからおちおちそんなことも言っていられない。問題発生!でもどうしたらよいのかわからない…そんな方々の人権・生活問題の疑問あれこれにお答えするありがたい企画。


■セセデ2006年 9月掲載

海外で生まれた子どもの在留資格はどうなるの?

 在日同胞のカップルですが、現在留学のため、二人ともイタリアに滞在しています。間もなく子どもが生まれますが、イタリアで出産した場合、生まれた子どもの日本における在留資格はどうなりますか? 私たちと同じ「特別永住者」の資格を取得出来ますか?


テキスト:宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会事務局部長)
イラスト:ko-pongsuk


いったん日本に戻ってから出産するのが良いでしょう。


 新しい家族の誕生、待ち遠しいですね。しかし、出産前にこれだけは押さえておきましょう。
 子が日本で生まれた場合、父母いずれかが「特別永住者」であれば、出生届の提出と同時に特別永住者資格取得の手続きができるので、子は「特別永住者」の資格を取得できます。しかし、海外で生まれた子の在留資格取得手続きは複雑な上、子の「特別永住者」資格取得においてリスクが伴うことがあります。このようなことを考慮した場合、子の出産の際には、多少面倒ではあっても日本に戻ってから出産するのが無難なようです。
 相談者のように、在日同胞が夫婦で海外に留学中あるいは海外支社へ赴任中に日本国外で子どもを出産した場合、留学や海外赴任を終えた後おそらくは子も一緒に日本に戻って暮らすことになると思われます。その際に外国で生まれた子の日本における在留資格問題や、子が日本に入国するにはどうすれば良いかという問題が生じます。
 子の父または母が「特別永住者」の在留資格を持っていても、外国で出生した場合「本邦(日本)で出生し、引き続き本邦に在留する者」(1991年入管特例法4条)との要件を満たさないため、特別永住者資格を取得できないということになります。しかし、「平和条約国籍離脱者又は平和条約国籍離脱者の子孫で入管法別表第二の上欄の在留資格(永住者の在留資格を除く)をもって在留するものは、法務大臣の許可を受けて、この法律に定める特別永住者として、本邦で永住することができる」(同5条)の規定により、出産後、日本に連れて帰った際に海外でその子に「短期滞在」などの在留「定住者」の在留「特別永住者」の資格申請をして同資格をもらっているケースも多々あるようですが、日本に帰って何日以内に申請しなければならないといったことなどもその時々の「裁量」によって決まっているようなので、やはり確実を期する意味で日本に戻ってから出産することをおすすめします。


もっと詳しく知りたい人のために

 なお、特別永住者が海外で長期にわたって暮らすことになった場合でも、日本における特別永住者資格が失効することはありませんが、日本の再入国許可に期限があるので、期限前に日本に来て再度の再入国許可を受け渡航するということを繰り返す必要があります。詳細は、「在日コリアン暮らしの法律Q&A」(在日本朝鮮人人権協会編・日本加除出版)などをご参照ください。








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