人権問題といえば難しいイメージを持つ方もいるのでは? しかし身近な生活に潜んでいる問題だからおちおちそんなことも言っていられない。問題発生!でもどうしたらよいのかわからない…そんな方々の人権・生活問題の疑問あれこれにお答えするありがたい企画。


■セセデ2006年 8月掲載

再入国許可の有効期間、海外で延長できるの?

 私は「特別永住者」資格を有する在日同胞4世です。現在フランスの製菓学校でパティシェの修行中ですが昨日、再入国許可書の期限が1カ月後に迫っていることに気づきました。
 毎日忙しく、日本に戻って再申請する余裕はありません。また、日本への往復費用も馬鹿になりません。なんとかフランスで再入国許可の期間を延長できないでしょうか?


テキスト:宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会事務局部長)
イラスト:ko-pongsuk


再入国許可の期間の延長は可能です。


 食べた瞬間、口いっぱいに甘い幸せが広がる美味しいお菓子…世界の至るところに色とりどりの、様々な形のお菓子がありますが、中でもフランス菓子は人気が高いですよね。
  さて、今回のご相談ですが、再入国許可を得て日本を出国したものの、その許可の有効期間内に日本に戻らなかった場合は、その再入国許可が失効するだけではすみません。日本出国時に遡って、あなたの日本における「特別永住者」としての在留資格までもが消滅してしまい大変な事になってしまいます。
 在留資格がなくなると、日本に戻る際に一般外国人と同様の取り扱いとなり、何かと面倒な手続きが必要となる上、とりわけ「特別永住者」や「永住者」の在留資格をもつ在日朝鮮人にとってはその後の日本での生活に少なからず支障をきたすと思われます。十分に注意してください。
 渡航先・留学先での不慮の事故や病気、あるいはその他のやむを得ない事情により、どうしてもその有効期間内に日本に戻る事が出来ない場合は、最長1年間の延長が可能です(入管法26条、入管特例法10条)。しかし、これはあくまでも日本に再入国するためだけに延長出来るものなので、延長後に日本に戻った時点で失効します。
 あなたが滞在するフランスに駐在する日本大使館あるいは領事館で延長の手続きができます。しかし、大使館あるいは領事館の職員が再入国そのものについて不勉強であったり、知らなかったりすることもあり、「出来ない」と言われる事もあるようです(と言うのも、パスポートは外務省の管轄事項ですが、再入国許可は法務省の管轄事項なので、外務省から派遣されている日本の在外公館の職員が再入国許可について知らないことも十分にあり得ます)。
 再入国許可延長については入管法あるいは入管特例法で規定されている事をきちんと伝え、日本の法務省に直接問い合わせて確認するよう、大使館または領事館職員に求めるのが良いでしょう。


もっと詳しく知りたい人のために

 本文中でも触れましたが、渡航先の日本大使館・領事館では、再入国許可書を紛失したり盗難に遭ったといった場合でも、法務省が管轄する再入国許可書の再発行の手続きは行なってくれません。海外に行く際には、パスポート、渡航先のビザ、外国人登録書のコピーなどをそれぞれとって家族に渡しておくなど、万一の事を考えた事前の対策が必要です。詳しくは、『在日コリアン暮らしの法律Q&A』などをご参照ください。








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