人権問題といえば難しいイメージを持つ方もいるのでは? しかし身近な生活に潜んでいる問題だからおちおちそんなことも言っていられない。問題発生!でもどうしたらよいのかわからない…そんな方々の人権・生活問題の疑問あれこれにお答えするありがたい企画。


■セセデ2006年 1月掲載

朝大卒業生の私の オモニ、社労士資格試験を受験できるの?

朝大文学部を卒業した私のオモニが、何か同胞社会に役立つ資格を得たいと、社会保険労務士を目指すと言い出しました。そういえば朝大卒業生の各種国家資格試験受験資格が徐々に認められるようになったと聞いたことがあるような気がしますが、オモニは社労士資格試験を受けられるのでしょうか…?


テキスト:宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会事務局部長)
イラスト:ko-pongsuk


オモニも朝大卒業生として、社労士資格試験受験可能です!


 向学心あふれる、ステキなオモニですね! さて、今回の質問に対する回答ですが、単刀直入に言うと、オモニは社労士資格試験を受験できます。あなたの言うとおり、2004年8月に朝鮮大学校卒業生の司法試験1次試験免除が認可された後、朝大在校生、卒業生に需要の高い社会保険労務士、税理士、保育士などの国家資格試験の受験が認められるようになりました。
 それ以前は朝大在学生は、司法試験1次試験の免除を受けるため、朝大に在籍しながら通信制の日本の大学に通うという「ダブル・スクール」を余儀なくされ、社労士資格受験に際してはまず行政書士の資格を取得し、それをもって社労士試験を受験するという回り道を強いられてきました。
 このような差別を是正するうえで契機となったのは、1998年朝大卒業生の京都大学大学院理学研究科合格でした。翌99年、文部省が大学院入学資格弾力化措置を講じたことによって朝大卒業生の国立大大学院受験が認可され、以降朝大卒業生は、東京大、筑波大、神戸大、広島大など多くの国立大大学院に続々と合格しています。これは、朝大が日本の大学と何らそん色ないということを証明するもので、朝大と人権協会の同胞弁護士、社労士、税理士らはこうした事実を踏まえ、各種国家資格受験資格上の差別是正に取り組んできたのです。
 社労士資格試験に関しては、2005年1月、「学校教育法に定める短期大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者」に対して個別の受験資格審査により受験を認める旨の通知があり、昨年8月に行なわれた2005年度社労士資格試験より朝大卒業生の受験が認められました。注意点は、個別審査があること。これは、朝大の卒業証明書や成績証明書等を審査書類として受験申請時に提出するもので、さほど煩雑ではありませんが、忘れずに事前に準備しておきたいところです。これさえ怠らなければ、受験申請は問題なく受理されます。ですからオモニの受験、暖かく応援してくださいね。


もっと詳しく知りたい人のために

司法試験1次試験、社労士の他にも、04年12月には、保育士資格試験の受験が可能になり、05年5月には税理士の受験資格が認められましたが、両試験ともに卒業生のみならず、在学生の受験が認可され、2005年度資格試験より朝大在学生が受験しています。(*但し、日本人学生同様、受験に際しては一定の要件あり) ご参考に:『人権と生活』19号、20号、21号(在日本朝鮮人人権協会編)








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